現在、多くの医療従事者が着用しているのがスクラブです。皆さんのなかにも、スクラブの導入を検討されている方がいるのではないでしょうか?
今回は、スクラブとはどのような服なのかを紹介するとともに、スクラブのメリットやデメリット、その他の医療用ユニフォームとの違いを解説します。
医療現場で使用される「スクラブ」とは?
スクラブとは医療現場で着用される服の一種です。英語で「ゴシゴシ洗う」を意味する「Scrub」が語源となっており、その名のとおり強く洗っても傷まない丈夫な生地でできています。襟がVネックで腰丈、半袖になっているものが多く、着脱しやすいのが特徴です。ボトムスにはパンツを合わせて着用します。
スクラブが誕生したのは1990年代になってからだといわれています。当時、アメリカでは「いかにも医療用といった制服は、患者様に不安や緊張感を与える」と、ナース服に対する批判の声が寄せられていました。
そこでアメリカの小児科医が「カジュアルなユニフォームにすれば、患者様の緊張を軽減できるのではないか」とスクラブを導入したそうです。すると評判がすぐに広まり、アメリカのほとんどの病院で導入されるようになりました。その後、日本では医療ドラマをきっかけに広まったといわれています。
医療現場でスクラブが選ばれる理由
医療現場でスクラブが選ばれている大きな理由が、動きやすさと機能性です。ナース服と違いパンツスタイルのため大きな動きもスムーズにできるだけでなく、着心地もよく生地も丈夫であるため、長時間着用してもストレスを感じません。
また価格は2〜3,000円台のものが多く、リーズナブルで導入しやすい、という点も理由のひとつです。カラーバリエーションも豊富でデザイン性が高いため、さまざまな着こなしを楽しめる点も人気です。
スクラブの魅力
スクラブの大きな魅力は、耐久性の高さにあります。繰り返し洗濯しても傷みにくい丈夫な生地でできているため、長く着用できます。また、速乾性に優れているものが多く、洗濯物が乾きにくい冬でも、乾きやすいのが特徴です。
さらにストレッチ性に優れているため、動きの邪魔になりません。着心地がよくスムーズな動作が叶うため、仕事の生産性が向上します。
また、抗菌・防臭加工が施されているものが多いため、衛生面に最大限の考慮が必要な医療現場でも清潔さを維持できます。
スクラブを着用するメリット
ここからは、医療現場でスクラブを着用するメリットをご紹介します。スクラブの導入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
安全性が高い
スクラブはかぶりタイプのものが多く、安全性が高いのが特徴です。前面にボタンやファスナーがついていないため、ボタンが取れたり、物が引っかかったりするリスクが低い、というメリットがあります。特にお子さんを担当する場合、ボタンの誤飲も防げます。
また、ファスナータイプの制服のように、急いで閉めたときに皮膚や指を挟んでしまう危険もありません。
透けにくい
スクラブはインナーが透けにくいというメリットもあります。インナーが透けやすい制服の場合、下着の色に気を使わなければいけないため少々面倒です。その点スクラブは、インナーのカラーを気にせずに着用できます。ただし、なかにはインナーが透けやすいスクラブもあるので注意しましょう。
動きやすい
スクラブは動きやすさを重視して作られているため、長時間動きっぱなしでもストレスを感じません。伸縮性のある生地で、ゆったりとしたデザインで腕の曲げ伸ばしもスムーズで快適に業務を行えるでしょう。
デザインが豊富にある
デザインのバリエーションが豊富にあるのもスクラブの魅力です。定番のVネックのものから首元にV字の切り込みがあるキーネック、襟付きのものなどさまざまな種類があります。また、刺繍やワッペンでオリジナリティのあるスクラブにアレンジ可能です。ファッションブランドが販売しているスクラブも少なくありません。
好きなデザインのスクラブを選ぶ楽しみを味わえるのも大きなメリットといえるでしょう。
カラー展開が豊富にある
スクラブはカラー展開が豊富な医療用ユニフォームです。黒や白といったベーシックカラーからアースカラー、パステルカラーまでさまざまな色が揃っています。カラーによっては患者様に親近感を与え、不安を軽減する効果が期待できるでしょう。
好きなカラーを選んだり、パンツとの色の組み合わせを楽しんだりと、好みのコーディネートができるのも魅力です。
比較的安価で揃えられる
スクラブは、他の医療用ユニフォームに比べると比較的安いため、気軽に購入できるというメリットもあります。
医療現場で着用するものは、清潔さが重要です。そのため、傷んだり汚れたりしたらすぐに買い替える必要があります。低価格のスクラブなら自分ですぐに買い足せるため、常に清潔な状態を保てるでしょう。
スクラブを着用するデメリット
スクラブは色の濃いものを選んだ場合、洗濯の際に他の衣類に色移りすることがあるので注意が必要です。その他にも着用する際に気を付けたいポイントがいくつかあります。それぞれ詳しく解説しましょう。
カジュアルな印象になりやすい
スクラブは、白衣やナース服に比べると「カジュアルで医療従事者らしさに欠けている」と考える人も少なくありません。そのため専門性や権威性をアピールしづらく、患者様によっては不安を抱くケースもあります。
スクラブを導入するか否かは、地域性や担当する患者様の年齢層などを考慮するようにしましょう。
胸元が空いているデザインも多い
Vネックが主流のスクラブは、デザインによって胸元が大きく空いているものもあります。大きめのサイズを着用すると、かがんだときに胸元が見えてしまう恐れがあるため注意しましょう。
胸元に注意しながら作業をしていては、仕事に100%集中できず、思わぬ事故を起こす恐れがあります。スクラブを購入する前に、必ずヌードサイズを測定し、自身にフィットしたサイズのものを選びましょう。
また、女性の場合は、ユニセックスタイプのスクラブではなくレディース用のスクラブを選ぶのもおすすめです。レディース用のスクラブは、胸元が開きすぎないデザインになっているものが多いでしょう。
しわが気になる場合もある
機能性の高いスクラブは、洗濯をしてもしわになりにくい形態安定加工が施されているものがほとんどです。しかし、長時間着続けていると、どうしてもしわになる場合があります。スクラブはシンプルなデザインになるため、しわが非常に目立ちます。また、何度も洗濯を繰り返しているうちに、型崩れを起こすこともあるでしょう。
しわになっているスクラブを着ていると、患者様や他のスタッフにだらしない印象を与えてしまいます。しわが気になる場合は、必ずアイロンがけしてから着用しましょう。また、型崩れを起こしている場合は、スクラブを新調するのがおすすめです。
「スクラブ」と「白衣」「ケーシー」との違いは?
医療用ユニフォームの種類には、スクラブの他に白衣とケーシーがあります。それぞれどのような特徴があるのかを紹介しましょう。
白衣の特徴
白衣は医師や研究者などが着用している服で、医師を象徴するユニフォームともいえます。前ボタンで留める形式のものが一般的で、丈は長めでゆったりとしたデザインです。
名前のとおり、色は白色が基本ですが、最近ではグレーやブルーのものも販売されています。とはいえ、まだまだ清潔感の象徴である白色が主流です。
白衣のメリット
白衣を着用する最大のメリットは、一目で医療従事者であると認識してもらえることです。緊急時に迅速な対応が必要になるときや患者様に協力を依頼するとき、白衣が効果を発揮します。清潔感や信頼感を周囲に与えるため、患者様にも安心してもらえるでしょう。
また、しっかりとした生地感とゆったりとしたデザインで、長時間着用してもストレスを感じない、というメリットもあります。肌触りがよく耐久性にも優れています。
胸や腰には容量の大きいポケットがついており、聴診器や筆記用具、スマートフォンなどが収納可能です。業務に必要な道具をすべてポケットに入れておけるため、スムーズに業務を行えるでしょう。
白衣のデメリット
白衣は丈が長く裾が広がっているため、動きにくいのが難点です。しゃがむことが多い作業や、あちこち動き回る機会が多い場合は、裾を踏んでしまったり、袖に物をひっかけたりしてしまい、作業がスムーズに進まない恐れがあります。
また、白色は汚れが非常に目立ちます。血液や薬品が付着した場合はすぐに洗わないとシミになってしまうでしょう。こまめな洗濯やクリーニングが欠かせない点もデメリットのひとつです。
汚れが目立ちやすい白衣は、スペアの準備やこまめな買い替えが必須です。しかし白衣は生地や素材にこだわって作られているため、少々値が張ります。そのため、コストがかかってしまうというデメリットもあります。
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ケーシーの特徴
ケーシーはスクラブと似たデザインの医療用ユニフォームです。スクラブとの大きな違いは首元で、ケーシーはタートルネックのような首元をしています。
これまではサイドファスナーのデザインが主流でしたが、現在はセンターファスナーをはじめ、さまざまなデザインのものが展開されるようになりました。
コート型の白衣と比べると丈が短く、ストレッチ性が高いため、外科医や歯科医、作業療法士といった動くことが多い医療従事者に愛用されています。動きやすさを追求しているものの、スクラブほどカジュアルではなく、フォーマルな印象を感じられるのが特徴です。
ケーシーという名前は、1960年代に放送されたアメリカのドラマ「ベン・ケーシー」で主人公の医師が着用していたことが由来となっています。
ケーシーのメリット
ケーシーは肩や腕が動きやすいように設計されており、丈夫で着崩れしにくい点がメリットです。通気性がよく着心地も快適であるため、何かと動くことが多い医療現場で長時間着用してもストレスを感じにくいでしょう。
また、首元が立ち襟になっているため、スクラブよりもフォーマルで専門性を感じられるというメリットもあります。きちんとした印象で、患者様に安心感と信頼感を与えられるでしょう。白衣よりもスタイリッシュで、患者様に親しみを与えやすいデザインになっています。
年齢や性別、体型を選ばず着られるデザインになっている点も魅力です。職場の多様性を尊重し、なおかつ統一感を出したい場合、ケーシーが大いに役立つでしょう。
ケーシーのデメリット
ケーシーはほとんどが半袖タイプのため、寒い季節にはケーシーの下に長袖のインナーを着たり、上からカーディガンを羽織ったりするなど防寒対策が必要です。このとき着こなしに気を付けないと、野暮ったい印象になったり、カジュアルすぎるイメージを与えたりする恐れがあります。
また、半袖のケーシーは、腕が露出してしまいます。薬品や血液から腕を保護するために、アームカバーを付けるなどの対策をしなければいけません。
さらにケーシーはボタンが付いているタイプが多いため、ボタン紛失のリスクが高くなります。特にお子さんを担当する機会が多い現場では、誤飲に注意しなければいけません。
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スクラブの選び方とポイント
スクラブはデザインやカラーが豊富にあるため、どれを選べばいいのか迷ってしまうかもしれません。そこでここでは、スクラブを選ぶ際の主なチェックポイントを、ピックアップしてご紹介します。
サイズ感をチェック
スクラブは、身体にあったサイズを選ばないと、胸元が見えてしまったりスムーズに動けなかったりする恐れがあります。購入の際は、必ずサイズ感をチェックしましょう。着用したときにゆとりがあり、大きすぎないものを選んでください。
特にユニセックスのものは、メンズ用に近いサイズ感です。そのため同じMサイズでも、女性が着るとやや大きく感じる可能性があります。反対にメンズ用のLサイズを着ている人がユニセックスのLサイズを着ると、少し窮屈に感じるかもしれません。
購入する際は必ず自身のヌードサイズを測って、それを基準にサイズ感をチェックしましょう。可能なら試着してからの購入がおすすめです。
素材感をチェック
使用されている素材も必ずチェックしましょう。スクラブは、素材によって「乾きやすい」「吸水性と速乾性が高く着心地がいい」「伸縮性が高い」など特徴が異なります。
スクラブを着る際に重要視したいことを明確にし、適した素材のものを選びましょう。
機能性をチェック
毎日長時間着用することを想定して、動きやすくて機能性の高いスクラブを選ぶことも大切です。必要な機能を備えているスクラブを着用すれば、業務上のストレスも軽減され仕事のパフォーマンスも向上します。少なくとも以下の機能が付いているかどうかはチェックしておきましょう。
- 抗菌加工…繊維上の細菌の抑制機能。各種安全試験をクリアした「SEKマーク」がついているもの
- 吸汗性…汗を素早く吸いとって快適な着心地が維持できる機能
- 静電…静電気防止素材でホコリの付着やウエアのまとわりを防止できる機能
- ストレッチ…伸縮性に優れ、腕の曲げ伸ばしや肩の上下運動がスムーズに行える機能
- 透け防止…インナーや肌が透けて見えるのを防ぐ機能
これらの機能を備えたスクラブなら、医療用ユニフォームとしての役割をしっかり果たしてくれるはずです。
色合いをチェック
カラー展開が豊富なスクラブは、色合いで選ぶことも大切です。色によって患者様に与えるイメージや効果は異なります。以下に主な色がもたらす効果を紹介しますので、カラー選びの参考にしてください。
- ブルー…爽やかで落ち着いた印象を与える
- ブラック…汚れが目立ちにくく、スタイリッシュなイメージを演出
- ホワイト…清潔感があるイメージ。医療のプロであるという印象を与える
- ピンク…優しさや温かみがあるため、患者様が親近感を覚えやすい
- グリーン…補色残像対策になるため、手術着に最適。リラックス効果も期待できる
- ネイビー…見た目の清潔感を保ちやすく、患者様の印象がよくなる
スクラブのカラーは、自身の好みだけでなく色がもたらす効果や職場の雰囲気など、総合的に判断して選びましょう。
価格をチェック
スクラブの価格は、リーズナブルなものから高級感があるものまで非常に幅広いため、品質と価格のバランスを考えて購入することが大切です。
一般的には高価なものほど機能性や着心地はよくなりますが、低価格でも機能性が高いものはたくさんあります。自身の予算に合った価格帯のスクラブを選びましょう。
耐久性をチェック
スクラブは毎日着用するため、繰り返しの洗濯にも耐えられる耐久性の高いものを選びましょう。耐久性が低いスクラブは、着ているうちにシワになったり、すぐに型崩れを起こしたりします。短期間で買い替えが必要となると、出費がかさんでしまいます。また、買い替えるのがもったいないからと、型崩れしたスクラブを着続けると、周囲の人にだらしない印象を与えかねません。
清潔感を保ち、快適に仕事をするためにも、耐久性の高いスクラブを選びましょう。
医療ユニフォームに迷ったらスクラブがおすすめ!
医療用ユニフォームには、耐久性と機能性が高いスクラブがおすすめです。頻繁な着替えや消毒などが繰り返される医療現場では、耐久性が高いユニフォームが求められます。スクラブは非常に丈夫な生地でできているため、過酷な現場でも傷んだり型崩れを起こしたりせずに着続けられるでしょう。
またデザインがゆったりしているため動きの妨げにならず、長時間動き回っても疲れやストレスを感じにくいというメリットがあります。また、汚れが落ちやすい素材でできているため、清潔感が保てます。
カラーやデザインのバリエーションが豊富にあるため、お気に入りの一着が見つかるのもポイントです。医療用のユニフォームに迷った際は、スクラブの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
スクラブの購入は「ユニフォームワールド」をチェック
スクラブの購入に便利なのが、総合ユニフォームの通販サイト「ユニフォームワールド」です。サイト内ではさまざまなスクラブが販売されているので、理想の一着がすぐに見つかるでしょう。
価格帯やカラーなど、いろいろな検索方法があるため、目的に応じたスクラブが探しやすいのも嬉しいポイントです。
夜勤など勤務形態が不規則なため、なかなかスクラブを買いに出かける時間がない、という医療従事者の方も多いでしょう。その点通販なら、休憩時間など隙間時間に購入できるため非常に便利です。
スクラブを購入したい、どのようなスクラブが販売されているか見てみたい、という方はぜひホームページをチェックしてください。
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まとめ
スクラブとは、機能性と耐久性の高さから、現場で主流のユニフォームになりつつある医療用の洋服です。
動きやすく衛生的で、さまざまなデザインや色のバリエーションがあるスクラブですが、サイズを間違えると胸元が開いてしまったり、色の組み合わせによってはカジュアルすぎる印象を与えたりする恐れがあります。購入の際は必ずサイズ感や素材、機能性をチェックしましょう。
「ユニフォームワールド」では、さまざまなスクラブを取り揃えています。サイズや機能も詳しく表示されているので、着用したときのイメージもわきやすいでしょう。ユニフォームワールドで、自身に合ったスクラブを見つけてください。